宅内機器とネットワーク機器が相互に関係する技術サポートでは、利用者は「つながらない」「動かない」といった曖昧な説明しかできません。何を確認し、どう案内するかはオペレーターの判断に委ねられ、難しい問い合わせほど一部の熟練者へ集中していました。
鍵になったのは手順書の作り直しです。人が読む前提で書かれた記述を、AIが条件と分岐を正しくたどれる構造へ再構成しました。そのうえで、想定外の状況では技術資料や過去事例を参照し、通話から熟練者の判断や例外対応を抽出してナレッジとして蓄積します。
約1年間の共同開発で、実業務への適用を目指せる精度水準に到達。通常問い合わせの多くを自動化し、業務量を約40〜45%削減できる見込みです。運用を続けるほど対応範囲が広がり、人を増やす前提から知識を増やす運営へ変わります。
1万点を超える電子部品を扱うなかで、「現在使っている他社製品を置き換えたい」という問い合わせが全体の13%以上を占めていました。適切に答えられれば販売へ直結する機会ですが、候補選定にはカタログやデータシートの確認と専門知識が必要で、回答速度がそのまま営業機会を左右していました。
競合製品と自社製品の仕様を比較可能な形へ整理し、競合型番や要求条件から代替候補を自動で絞り込む仕組みを構築。候補ごとに一致点と相違点を示すことで、担当者は大量の資料を一から探すのではなく、絞り込まれた候補の妥当性を確認して最終判断できます。
概念実証では4カテゴリ・約1,000製品を対象にメーカー間の製品照合を検証。ナレッジ作成は従来の約90分から10〜20分程度へ短縮し、過去の比較結果は営業・設計・製品企画でも再利用できる資産になりました。
年間2万台を超える中古車を仕入れ、国内販売、海外輸出、中古部品、素材リサイクルへ振り分ける事業。車両の価値は車種や状態に加え、中古車相場、部品需要、素材価格によって日々変わります。査定依頼が集中すると回答に時間がかかり、価格を即答できないことがそのまま仕入機会の損失になっていました。
中古車として売る、部品として販売する、素材として再資源化するという複数の出口から将来価値を見積もり、必要コストと利益基準を踏まえて仕入価格を逆算する仕組みを構築。主要な約200車種と約140種類の部品について市場情報を日々収集し、取引価値の90%以上をカバーします。
事業判断の軸を「仕入台数」から「期待利益」へ移行し、仕入車両を増やすことなく部品生産量を約30%拡大。同じ経営資源から生み出す価値が高まり、査定の仕組みは仕入・生産・販売をつなぐ経営判断の基盤になりました。
5万人を超える登録者と全国の学校を結ぶとき、最後の決め手になるのは免許や科目といった条件ではありません。「落ち着いて生徒に向き合えるか」「学級を任せられるか」といった、数値化できない人物像や力量です。条件で絞り込むだけの従来のマッチングでは扱えず、その判断はベテラン担当者の経験の中に残されていました。
さらに、登録データには欠損、古い情報、表記ゆれ、自由記述が多く含まれ、現在の希望と過去の経歴も混在していました。情報が存在していてもそのまま比較には使えず、長年運用してきた業務システムを作り直さずに、判断へ使える状態へ整えることが前提条件でした。
自由記述や不統一な情報から人物像や力量を抽出・整理し、免許・校種・科目などの必須条件はルールで判定、性格・経験・希望との適合度はAIが評価する二層構成を採用。最終採点を明確なルールに委ねることで、テストケースの約90%で正確な評価結果を得ています。
平坦な表面に多数の微細孔が並ぶ部品では、孔の閉塞・サイズ・位置と、表面の凹凸を同時に確認する必要があります。完全に閉塞した孔は画像上で見えにくく、表面状態の評価も検査員ごとに差が生じるため、「どの程度なら良品か」を共通の基準として示せない状態でした。
孔の規則的な配列を利用して、画像上で見えにくい閉塞孔も含めて本来の位置を推定し、孔径や位置関係から異常を判定する方式を開発。さらに表面状態をヒートマップとして可視化し、三次元的な凹凸を二次元画像上で直感的に確認できるようにしました。
実際のSEM画像を用いた概念実証では、小径、閉塞、位置ずれ、欠損など複数の孔異常を識別・表示。学習に使えた画像が12枚と限られるなかでも、異なる配列形状への対応と検出処理の安定化を進め、目視判断を客観的な品質指標へ発展させる道筋を示しました。
長年の放送で蓄積した数万番組規模の映像アーカイブ。古い映像ほど番組名や放送日以外の情報が少なく、「ある出来事を扱った映像」「特定の人物が発言している場面」といった依頼には、担当者が記憶を頼りに候補を探すしかありませんでした。検索に時間がかかり、価値のある映像が活用されないままでした。
映像・音声・テキストをAIで解析し、シーン情報、キーワード、内容説明、要約、代表画像を自動生成。ニュース、情報番組、ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリーの5番組を対象に、生成したメタデータが実際の検索・再利用に使えるかを評価しました。
1959年から1996年に放送された映像を含む検証で、キーワード精度は75.6%〜96.6%。別のドキュメンタリー映像では約93.24%を確認しました。画質劣化や音声ノイズを含む古い映像でも実用可能性を示し、映像貸出に加えてライセンスや配信へ広げる根拠となりました。
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